今回は、「自筆証書遺言」の書き方について説明します。
本当は公正証書遺言で作るべきだけど、ニーズもあったので説明するよ
なぜ自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言がいいんじゃ??
まず、なぜ自筆証書遺言をオススメしないかというと、書き方を間違えてしまうと無効になる可能性があるからです。
これが自筆証書遺言の致命的なデメリットです。
それは、以前に「遺言書の種類」で説明しているので、目を通してみてください。
ただ、どの項目も間違えたら無効になるわけではなく、無効になるポイントは決まっています。
それは次の3点です。
- 全文を自筆で書く
- 日付を書く
- 署名、押印をする
※これまで全文を自筆する必要がありましたが、2019年1月からは、財産目録はパソコンでの作成が可能になりました。
逆に言えば、ここに気を付ければ、遺言書は無効になるリスクはぐっと減らすことができます。
さっそく作成手順に入っていくよ!!
「遺言書」と書く
タイトルはなくても問題ないですが、わかりやすいように書いておきましょう。
用紙、筆記用具は自由
用紙は自由ですが、保存に耐える丈夫な紙を使いましょう。
筆記用具も特に決まりはありませんが、鉛筆は避けて、万年筆やボールペン、サインペンを使用します。
縦書き?横書き?
文章は縦書きでも横書きでも大丈夫です。
財産記入のポイント
ポイントは、あいまいな表現を避けて、財産を特定出来るよう具体的に書くことです。
特に不動産は登記記録と一致しないと相続登記できないこともあるので、登記事項証明書の記載とおりに書きます。
預貯金は、銀行の支店名、口座番号、名義までしっかりと書きましょう。
ただ、残高は変動しますので、具体的な金額は書かないようにしましょう。
相続人に相続させるときは「相続させる」と書きますが、相続人以外の場合は「遺贈する」と書きます。
また相続人以外に遺贈する場合は、同姓同名もいるので、生年月日や住所(または本籍)も併せて書きましょう。
自筆証書遺言の書式
決まった書式があるわけではありませんが、一般的な自筆証書遺言の例は以下の通りです。
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遺言書
遺言者◎◎◎◎は次の通り遺言する。
妻△△△△(昭和○○年○月○日生まれ)に、所有するすべての不動産を相続させる。
土地
所在 ○○市○○町
地番 ○○番○○号
地目 宅地
地積 206.7平方メートル
建物
所在 ○○市○○町○○番○○号
家屋番号 居宅
構造 木造瓦葺き2階建
床面積 1階55.22平方メートル
2階50.30平方メートル
長男◇◇◇◇(昭和○○年○月○日生まれ)に、次の預貯金を相続させる。
株式会社××××銀行××支店
普通預金 口座番号××××××
付言事項
私の相続手続きが円満に進むようにと願い、遺言書を書くことにした。支えてくれた家族にはとても感謝している。特に妻△△には、心から礼を言いたい。
妻△△に住み慣れた家を遺すことを理解してほしい。長男◇◇には預貯金のすべてを遺すので、今後、お母さんのことはよろしく頼みます。
令和○○年○月○日
○○県○○市○○町○○番○○号
昭和○○年○月○日生まれ 遺言者◎◎◎◎ (印)
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日付は年月日までしっかりと
日付のないものは無効になります。また日付も自筆で、「○○年○月○日」と書いてください。「○○年○月吉日」などのあいまいな書き方にすると、これまた無効になります。
署名・押印をする
遺言書の最後に自筆で姓名を書きましょう。これも守らないと無効になります。
印鑑は実印でなくても大丈夫ですが、実印のほうがいいでしょう。
封筒に入れて封印をする
封筒に入れるか、封印をするかは自由です。ただ変造などを防止のために封印をしたほうがいいでしょう。
これで自筆証書遺言が完成です。保管場所はすぐ発見されるところにするか、または法務局が預かってくれるサービスも始まったので、それを利用してもいいでしょう。
遺留分にも気を付けよう
また、書き方ではないですが、相続人が最低限もらえる権利である「遺留分」を無視するとトラブルの元なので、分け方には気を付けましょう。
なんとなくわかったぞい。さっそく書いてみるか。
は、早い。。最近だと、自筆書遺言を書くためのキットも売られているから、それも使うといいよ。
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