近所のじいさんが死んだんじゃが、同居する長男が独り占めしようとしとるらしいのう。
それは困ったもんだね。今回は遺産を一人占めされたときの対処法を解説するよ!
特定の相続人に遺産を独り占めされるパターンはいくつかあります。
遺言書で長男に全部相続される場合
遺言書で特定の相続人に遺産を全部相続させると指定されているケースです。
この場合、まずは遺言書が有効かどうかを確認しましょう。自筆証書遺言の場合、要式を満たさず無効になるケースがよくあります。
遺言書が有効であれば指定通りに長男に遺産が相続されますが、他の子どもや配偶者は長男へ遺留分を請求できます。
時効がある
遺留分行使には時効があるので、早めの対応が重要です。
遺留分侵害額請求は、相続開始と不公平な遺言を知ってから1年以内に行わねばなりません。
確実に証拠を残すため、内容証明郵便で遺留分を請求しましょう。
遺留分侵害額請求の方法は、この記事で詳しく解説してあるよ!
親と同居していた長男が遺産分割協議に応じない
遺言書がなくても、同居していた長男が遺産を抱え込んで分割に応じないケースがあります。
長男が「家に住み続けたいから、不動産を分けられない」と主張するなら、代償金の支払いを要求しましょう。
合意できない場合
どうしても合意できない場合には、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てましょう。
調停では調停委員が長男を説得してくれます。
それでも合意できなければ、最終的に審判となり、裁判官が遺産分割の方法を決定してくれます。
審判ではほとんどのケースで法定相続分に応じて遺産が分割されるので、独り占めは認められません。
遺産分割調停などについては、この記事で詳しく解説してあるよ!
すでに独り占めされ使いこまれた場合
遺言書もないのに、特定の相続人が遺産を使い込んで独り占めしてしまうケースもあります。
そんなときには、以下のように対処しましょう。
銀行口座を凍結する
預金を使い込まれている場合には、まずは預金口座を凍結しましょう。
銀行に「名義人が死亡した」と電話すれば口座を凍結してもらえるので、早めに連絡しましょう。
取引履歴を調べる
次に預金の取引履歴を調べましょう。
銀行に申請すれば、指定した期間の取引履歴を出してくれます。
戸籍謄本や本人確認書類等の必要書類をもって金融機関へ行き、取引履歴を出してもらいましょう。
使い込みの有無を判断する
銀行から受け取った取引履歴の内容をみて、使いこみがあったか判断しましょう。以下のような場合、使いこみがあった可能性が高いといえます。
・1度に数十万円以上など、不自然に大きな金額が引き出されている
・数日にわたって継続的に出金されている
・相続人名義のクレジットカードの引き落としがある
使い込まれた分を取り戻す
使いこみが発覚したら、使い込まれた財産を取り戻しましょう。
任意に返してもらえるなら、話し合いによって返還を受けてください。
話し合いができない場合
話し合いができない場合、争いのレベルが小さければ、家庭裁判所の遺産分割調停で解決できる可能性もあります。
一方、金額が大きく争いの程度が大きければ、「不当利得返還請求」「損害賠償請求」などの訴訟をしなければ解決できません。
そうなると弁護士に依頼するしかないのう。
実家などの不動産を独り占めされた場合
長男が実家の不動産に住み続けている場合、必ずしも出ていかせることはできません。
長男が実家を取得するなら、他の相続人へ代償金を払わねばなりません。
長男に代償金の支払い能力がない場合、家を売却して相続人が法定相続分に従ってお金を受け取ることができます。
最終的に長男が売却に応じなくても審判になれば家の競売命令が出るので、法定相続分に従ったお金を取得できるでしょう。
不動産があるときの分け方については、この記事で詳しく解説してあるよ!
まとめ
遺産を独り占めされてしまったら、まずは遺言書があるかどうかを確認しましょう。
遺言書がない場合、独り占めしている相続人に対し、公正に遺産分割するよう求める必要があります。
こういうトラブルにならないように、事前に遺言書は残しておくべきだね
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