家族が亡くなると、まだ気持ちが落ち着いていない段階からやるべきことがたくさんあります。
家族が亡くなった直後に行う死亡届の提出から始まり、葬儀の手配、年金手続きなど初めての手続きだらけで困惑してしまう方も多くいらっしゃいます。
これらの手続きをまだ深い悲しみの中で行うので、本当に大きな負担となります。
この記事では、家族に相続が発生したときに、やるべきことを時系列に沿ってわかりやすく解説します。
家族が亡くなったんじゃが、何からしたらいいかわからないぞ。
ご愁傷様です。相続手続きは本当にたくさんあって複雑だよね。今回はやるべきことをシンプルに解説するよ。
葬儀と初七日までの手続き
家族が亡くなったらすること① 死亡診断書の受け取り
家族が亡くなったら、病院の医師から死亡診断書を受け取りましょう。
事故死や突然死などの場合には医師が作る「死体検案書」を受け取ります。
家族が亡くなったらすること② 死亡届の提出と火葬許可証の受け取り
死亡診断書や死体検案書と一体になっている「死亡届」に必要事項を記入して、「火葬許可申請書」とともに役所に提出しましょう。
役場での処理が終わると、「火葬許可証」が交付されます。
・死亡から7日以内
家族が亡くなったらすること③ 葬儀社へ連絡して打ち合わせ
葬儀社へ連絡して葬儀の打ち合わせをしましょう。
慌てないように、葬儀社は事前に決めておくとよいでしょう。
決まっていない場合は病院から紹介を受けることもできますが、自分で選ぶことをオススメします。
葬儀会社の選び方については、この記事で解説しているよ！
もし、危篤や急な逝去など緊急で葬儀屋の手配が必要であれば、以下のサイトがおすすめです。
24時間365日受付していて、お急ぎの人専用ダイヤルも設けています。
また全国どこにでも指定の場所まで迎えに来てくれるので、急ぎであればここをおすすめします。
紹介された葬儀社が合わない場合でも、他の葬儀社を紹介してくれるから安心できるのう。
家族が亡くなったらすること④ 葬儀と初七日
火葬許可証を葬儀社に渡し、葬儀と火葬を行います。
通常はその日に初七日の法要までを済ませます。
お骨はお墓に入れますが、まだお墓ができていない場合にはお墓が完成するまでお骨を家で保管します。
死亡後すぐに行うべき公的手続き
家族が亡くなったらすること⑤ 年金受給停止
年金を受け取っていた場合には、すぐに年金事務所に連絡をして年金の受給停止手続をしましょう。
家族が亡くなったらすること⑥ 介護保険資格喪失届
被相続人が住んでいた市区町村役場で介護保険の資格喪失届を出します。
・市区町村役場
・介護保険証
・死亡後14日以内
家族が亡くなったらすること⑦ 住民票の抹消届
死亡した人が住んでいた市区町村役場で住民票の抹消手続きを行います。
・市区町村役場
・死亡後14日以内
家族が亡くなったらすること⑧ 世帯主の変更届
死亡した人が世帯主だった場合、その変更届も必要です。
住民票の抹消と同時に役所で行います。
・市区町村役場
・死亡後14日以内
家族が亡くなったらすること⑨ 雇用保険受給資格者証の返還
死亡した人が雇用保険を受給していた場合は返還が必要です。
・ハローワーク
・死亡後1か月以内
家族が亡くなったらすること⑩ 国民年金の死亡一時金請求
死亡した人が国民年金を受け取っていた場合、遺族は死亡一時金を受け取ることができます。
金額は年金への加入期間によって異なりますが、12万～32万円です。
・市区町村役場、年金事務所、年金センター
・死亡した人と申請者の関係がわかる戸籍謄本
・死亡した人の住民票除票
・申請者の世帯全員の住民票
・振込用の銀行預金通帳
・死亡後2年以内
家族が亡くなったらすること⑪ 埋葬料の請求
死亡した人が社会保険に加入されていた場合には、健康保険組合に「埋葬料」を請求できます。
金額は5万円です。
・加入している健康保険組合または協会けんぽ
・健康保険埋葬料請求書
・健康保険証
・死亡診断書
・葬儀費用の領収証など
・死亡から2年以内
家族が亡くなったらすること⑫ 葬祭費・家族葬祭費請求
亡くなった人が国民健康保険に加入していた場合、市区町村に葬祭料の請求ができます。
家族が被扶養者だった場合、保険加入者である遺族が家族葬祭料を受け取れます。
金額は1～7万円で、ご家族の状況や市区町村によって異なります。
・亡くなった人が住んでいた市区町村
・健康保険証
・葬儀費用の領収証
・葬儀から2年以内
家族が亡くなったらすること⑬ 高額医療費の還付申請
亡くなる前に入院などをしていて、高額な治療費の負担をした場合には高額医療費の還付請求ができます。
・加入している健康保険組合、協会けんぽ、市区町村
・医療費の明細書
医療費支払いから2年以内
家族が亡くなったらすること⑭ 遺族年金の請求
配偶者が亡くなった場合は、遺族年金を受給できるケースがあります。
その場合、年金事務所に遺族年金の申請をしましょう。
申請しないと遺族年金は支払われないので、早めに申請をしましょう。
【手続きを行う場所】
・年金事務所
【必要書類】
・年金手帳
・戸籍謄本
・世帯全員分の住民票の写し
・死亡した人の住民票の除票
・請求者の収入を確認できる書類
・子どもの収入を確認できる書類
・死亡診断書のコピー
・振込先の通帳
・印鑑
【提出期限】
・死亡後5年以内
税金関係の手続き
家族が亡くなったらすること⑮ 所得税準確定申告
亡くなった人が事業者だった場合など確定申告をする必要があった場合、その相続人が代わって確定申告をしなければなりません。
これを「準確定申告」と言います。
必要になるのは、主に個人事業者だった場合や年収2,000万円以上の給与所得者だった場合です。
【提出先】
・管轄の税務署
【期限】
・死亡日の翌日から4か月以内
準確定申告については、この記事で詳しく解説しているよ！
家族が亡くなったらすること⑯ 相続税の申告
遺産総額が相続税の基礎控除を超える場合には、相続税の申告と納税をしなければなりません。
基礎控除は「3,000万円+法定相続人数×600万円」です。
【提出先】
管轄の税務署
【期限】
・死亡日の翌日から10か月以内
税理士の選び方
相続税が発生するようであれば、必ず税理士に相続税申告手続きを依頼しましょう。
亡くなった方に、生前から付き合いのある税理士がいれば、その税理士に相談しましょう。
税理士の知り合いなどいないわい。
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安心して相談できる先があるのは心強いね。
遺産相続に関する手続き
家族が亡くなったらすること⑰ 遺言書を探す
まずは遺言書が残されていないか確認しましょう。自宅の机や引き出しなどに保管されているケースが多いです。
公正証書遺言の場合、公証役場に行けば遺言書を検索してもらえるので、一度確認しておくべきです。
また自筆証書遺言でも、2020年7月から法務局が預かってくれる制度が始まっていますので、そちらにも照会しましょう。
家族が亡くなったらすること⑱ 遺言書の検認
自筆証書遺言が見つかったら、すぐに家庭裁判所で遺言書の検認を受けましょう。
【申請先】
・遺言者の居住地の家庭裁判所
【必要書類】
・遺言者の出生時から亡くなるまでのすべての戸籍謄本類
・相続人全員の戸籍謄本
家族が亡くなったらすること⑲ 相続人調査
相続人調査を開始します。
具体的には亡くなった人の出生時から亡くなるまでのすべての戸籍謄本類を集めます。
戸籍謄本類は、本籍地の役所に申請して発行してもらいます。
【申請先】
・本籍地のある役所
【必要書類】
・申請書
・除籍謄本
・申請者の身分証明書
家族が亡くなったらすること⑳ 相続財産調査
亡くなった人の相続財産調査も行う必要があります。
自宅内で通帳などの資料を探したり、金融機関で残高証明書を発行してもらったり、証券会社に問合せをしたり、法務局から不動産謄本を取得したりして調べていきましょう。
家族が亡くなったらすること㉑ 相続放棄の検討と手続き
亡くなった人に多額の借金があった場合などには、相続放棄を検討しましょう。
【申請先】
・被相続人の住所地の家庭裁判所
【必要書類】
・失くなった人の除籍謄本
・亡くなった人の住民票除票
・申述人の戸籍謄本
【申請期限】
・被相続人の死亡を知ってから3か月以内
家族が亡くなったらすること㉒ 遺産分割協議
相続放棄をしないなら、相続人が全員集まって遺産分割協議を行う必要があります。
話し合いで解決できないなら、家庭裁判所で遺産分割調停をして遺産の分け方を決めなければなりません。
調停でも合意できない場合には遺産分割審判となり家庭裁判所が遺産分割の方法を決定します。
家族が亡くなったらすること㉓ 不動産の名義変更
遺産分割協議などによって遺産分割の方法が決まったら、財産の名義変更などの相続手続きを行います。
【申請先】
・不動産の管轄の法務局
【必要書類】
・亡くなった人の除籍謄本
・亡くなった人の住民票除票
・相続人の住民票
・相続人の戸籍謄本
・遺産分割協議書または遺言書
・固定資産評価証明書
・相続関係説明図
家族が亡くなったらすること㉔ 預貯金払い戻し、名義変更
遺産に預貯金が含まれていた場合、速やかに払い戻しまたは名義変更を行いましょう。
【申請先】
・取引先の金融機関
【必要書】
・名義変更や払い戻しの申請書
・被相続人の預貯金通帳、銀行印、キャッシュカード
・被相続人の除籍謄本
・相続人の戸籍謄本
・遺産分割協議書または遺言書
詳細は各金融機関に確認しましょう。
また直近の民法改正によって、遺産分割協議が整う前に、一部の預貯金を払い戻せる「預貯金の払戻し制度」も始まっています。
家族が亡くなったらすること㉕ 株式の名義変更
被相続人が株式取引をしていた場合、その名義変更も必要です。
【申請先】
・証券会社
【必要書類】
・被相続人の除籍謄本
・相続人の戸籍謄本
・証券会社への届出印
・相続人の証券口座が分かる資料
・遺産分割協議書または遺言書
詳細は申請先の各証券会社に確認しましょう。
家族が亡くなったらすること㉖ 自動車の売却、名義変更、処分
遺産に自動車があれば、名義変更または売却、廃車の処分を行います。
【名義変更の申請先】
・陸運支局
【必要書類】
・被相続人の除籍謄本
・相続人の印鑑登録証明書
・遺産分割協議書または遺言書
・車検証
・自動車税申告書
・車庫証明書（車の保管場所が変わる場合）
その他の手続き
家族が亡くなったらすること㉗ クレジットカードの利用停止
亡くなった人がクレジットカードの契約をしていた場合、速やかに利用停止手続きをしましょう。
クレジットカード会社に電話をすれば、利用を止めてもらえます。
カードの裏面に連絡先の電話番号が書いてありますので、それぞれ連絡を入れて停止してもらいましょう。
家族が亡くなったらすること㉘ 運転免許証の返納
亡くなった人が免許証を持っていたら速やかに返納しましょう。
【返納先】
・自動車安全運転センターまたは警察署
【必要書類】
・免許証
・死亡診断書の写し
・死亡した人の除籍謄本
・提出者の身分証明書と印鑑
家族が亡くなったらすること㉙ パスポート失効
パスポートを持っていた場合には、速やかに失効手続きをしましょう。
【申請先】
・パスポートセンター
【必要書類】
・パスポート
・亡くなった人の除籍謄本
・死亡診断書の写し
・火葬許可証の写し
家族が亡くなったらすること㉚ 生命保険金の受取り
亡くなった人が生命保険の「被保険者」になっていた場合、指定された受取人は保険金を受け取れます。
早めに生命保険会社に保険金の請求をしましょう。
【請求先】
・加入している生命保険会社
【必要書類】
・保険証書
・亡くなった人の除籍謄本
・受取人の身分証明書
・印鑑
相続手続きに不安な方へ
相続手続きは複雑で、かつ全ての手続きを自分でやるのは時間がかかります。
また初めて行うことばかりなので、精神的な負担は相当なものです。
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