昭和の名俳優である渡哲也さんが2020年8月10日に亡くなられました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
渡哲也さんの葬儀は、当人の強い希望により家族葬で執り行われたそうです。
そこで、今回は家族葬について解説していきます。
家族葬とは何か
家族葬とは、親族やごく一部の親しい友人だけで行われる小規模な葬儀のことです。
一般的な葬儀と比べて参列者は少なくなりますが、通夜や告別式は一般葬と同じように行われます。
家族葬の割合
まだ多くの人にとって馴染みの薄い家族葬ですが、どのくらいの葬儀が家族葬で行われているのでしょうか。
公正取引委員会が行った調査によると、平成29年度において全国の葬儀全体における家族葬の割合は28.4%です。
3割近くが家族葬で行われていると考えますと、イメージより多いという印象を受けました。
家族葬が広まった背景
家族葬が広まった大きな要因として、日本が超高齢社会にあることが挙げられます。
葬儀を取り仕切る家族も高齢化しており、葬儀の準備でかかる負担は相当なものです。
そのような残された家族の負担を減らすために、家族葬を選択する方が増えています。
メリット
家族葬には、一般葬にはない3つのメリットがあります。
葬儀の内容を自由に決められる
参列者が少ないので葬儀の内容を自由に変更することができます。
一般的な葬儀では、たくさんの参列者が順番に焼香するのが通例です。しかし家族葬ではその必要がないため、家族の意向に沿った葬儀にすることができます。
亡くなられた方が生前に趣味で作成したものを並べたり、思い出の写真を飾ったり、内容を自由に変更することができます。
故人とゆっくりお別れができる
一般葬の場合、家族は大きな悲しみの中で葬儀を取り仕切る必要があります。
参列者の対応にも追われ、気づけばゆっくりとお別れすることも出来ずに葬儀が終わってしまいます。
しかし家族葬であれば、親族や親しい友人だけでお別れをするので、ゆっくりお別れをすることができます。
葬儀の準備をする負担が減らせる
一般葬では、参列者のために会場や食事を手配し、香典返しなどの準備をする必要があります。家族にとって一般葬の準備をすることは精神的な負担が大きいものです。
しかし家族葬の場合は、親族や親しい友人しか参列しないため、準備にかかる負担を大幅に減らすことができます。これは、とても大きなメリットといえます。
デメリット
それでは次に、家族葬のデメリットについて挙げていきます。
家族葬は親族や親しい友人のみで行う葬儀なので、それに伴うデメリットもあります。
一般葬より葬儀費用の負担が重くなる
家族葬では香典を辞退する場合がほとんどです。
香典を受け取る場合でも、参列者の人数が少ないので、香典の収入金額も少なくなってしまいます。
そのため、ほとんどのケースで葬儀費用の多くを自分たちで負担する必要があります。
家族葬を行うことに反対される場合がある
親族の中には、
「お世話になった近所の人や会社の人も招かず、身内だけで葬儀を終えるなんて」
と、家族葬を行うことに反対する方がいる場合もあります。
また、故人に対して「葬儀でお別れができなかった」と悔やまれる方もいらっしゃるかもしれません。
家族葬では、なぜこのような形式にしたのかの理解を得る必要があります。
お呼びしなかった方とトラブルになることもある
葬儀に参列できなかった方とのトラブルが発生しかねないことも、大きなデメリットのひとつです。
「どうしても最後の別れをしたかった」
「なぜ呼ばなかったんだ」
と想定外のトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。
やはり最後のお見送りはどうしてもしたいと考える方は、まだ多くいます。
また、「家族葬なので、参列は控えてほしい」と案内をしていても、葬儀当日になって「最期のお別れがしたい」とゲリラ的に参列される方も散見されます。
そのときは慌てて返礼品などの対応に追われ、余計負担に感じることもあります。
最後に
家族葬の割合は年々増えてきており、またコロナ感染拡大の観点からも今後はさらに一般的になると考えられます。
しかし、故人と最後のお別れをしたいと考える方は必ずいますので、その方々にも理解を得られるよう慎重に進めることがとても大切です。
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