石原プロモーション(通称・石原軍団)が来年1月16日で、所属俳優のマネジメント業務を終了することを発表しました。
その理由として、石原裕次郎の妻(現在の社長)が、「昭和62年7月17日石原裕次郎が亡くなる際に『俺が死んだら即会社をたたみなさい』という遺言を実行した」と説明されていました。
通常、これだけ世間から認知されている団体が解散するとなれば、反対意見などは必ず出るものです。
しかしこの決定に対して、世間(主にインターネット上)では、反対意見やバッシングなどはほとんど見当たりませんでした。
その理由は、『石原裕次郎の遺言』という超強力なパワーワードのおかげだと考えています。
これは、「家庭での遺言の効果や、登場人物の関係性と凄く似ているぞ」と感じました。
今回の石原軍団での登場人物は、①石原裕次郎の妻②所属タレント③ファン、の3者です。
まずは、石原軍団での登場人物に与えた影響。それから、一般家庭と似ているポイントについて解説していきます。
裕次郎の妻の心理的負担が減った
この決断をするにあたり、その責任は現在の社長である石原裕次郎の妻が負うわけです。
そのときに、「私の判断で、解散します」と言うのと、「石原裕次郎の遺言です」では、どちらのほうが心理的な負担が軽いでしょうか。
言うまでもなく、後者ですよね。もし遺言が無ければ、「石原裕次郎が生きていたら、存続させることを望んだのでは、、」と深く悩んでしまうことでしょう。
所属タレントも納得しやすい
もし遺言がなく、社長の一存で解散となれば、多くいるタレントの中では反対意見も当然出てくるはずです。
特に、石原裕次郎のようなカリスマに憧れて入社したタレントなどは、
「解散したほうが良さそうだけれども、裕次郎は存続を願っているだろうな。。」
との正義感から反発するかもしれません。
しかし、それが解散が石原裕次郎の遺志だとわかれば、快く受け入れて、新しい道に踏み出せるでしょう。
ファンも受け入れやすい
古くからのファンも多いので、今回の実質的な石原軍団解散騒動において、反射的に存続を願ったはずです。
忠誠心が強いだけでなく、人数も多いのが石原軍団ファンの特徴。
東日本大震災で石原軍団が炊き出しをしたとき、関係ないファンが殺到して、道路渋滞がおきて苦情が出たとの情報もありました。(Wikipediaより)
そんな熱狂的なファンでも、今回の解散は受け入れざるを得なかったはずです。なんせ、石原裕次郎の遺志ですから。
家庭と似ている点
次に、一般家庭に置き換えてみます。今回の登場人物は、一般家庭だとこんな感じです。
①石原裕次郎の妻=配偶者(妻)、②所属タレント=子どもたち③ファン=遠い親戚
似たケースとしては、
『夫が亡くなり独り暮らしになった妻が、自宅を売って老人ホームに入る』ようなケースです。
おそらく遺言書がなければ、妻は愛着ある自宅を売ることが出来ず、子どもは老人ホームに入ったほうが助かると思いながらも言えず、遠い親戚は無責任に自宅を売ることを批判するでしょう。
そんな中でもしも夫が、
『家は妻に遺すから、妻はそれを売って、住みやすい環境で過ごしてくれ』
と遺言書を残していたら、どうでしょうか。
遺された妻は住みやすい老人ホームに入ることができ、子どもは親の世話の負担が減り、遠い親戚は何も言えなくなるでしょう。
登場人物は、みんな遺言書に救われたと思います。
今回の石原裕次郎の遺言が、法的な拘束力があるかどうかは置いても、登場人物の負担をこれだけ軽くする力を遺言書が持っていることは事実です。
そんなことを考えさせる、石原軍団の解散劇でした。
遺言の書き方はネットなどでも調べられますが、本で確認したい方は以下の書籍が読みやすくてオススメです。
令和版 遺言の書き方と相続・贈与 [ 比留田薫 ]
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