家族の相続が発生すると、まずは戸籍謄本の取り寄せで困る方も多いでしょう。
特に皆さんが意外と知らずに困ることの1つに、「戸籍謄本はその本籍地でしか取得できない」ことがあります。
「生まれてから全ての戸籍が必要なのか」
「戸籍がとれる役場は決まっているんだね」
この記事を読めば、戸籍謄本の取得方法や、本籍地以外でも戸籍謄本が取得できるようになる法改正について知ることができます。
現在は本籍地以外では戸籍は取れない
まず前提として、2022年2月現在では本籍地以外の役所窓口で相続手続きに必要となる戸籍は取れません。
なぜなら、戸籍情報は市区町村単位で管理されており、ほかの市区町村からだと戸籍情報にアクセスすることができないからです。
しかし、2019年5月24日に本籍地でない市区町村でも戸籍を取得できるようにする戸籍法の改正案が国会で可決・成立しました。
この法改正により、相続の各種手続きを自分で進めることが以前よりも簡単になるでしょう。
戸籍謄本が必要な範囲
まず、相続手続きで戸籍謄本が必要な範囲について解説します。
相続人:現在の戸籍謄本
このように、戸籍謄本は被相続人の分だけでなく、その法定相続人全員分の戸籍謄本も必要となります。
そのため、法定相続人がたくさんいる場合は、その分だけ取得するにも労力と時間がかかります。
戸籍謄本の取得方法とは
現在の戸籍謄本は、以下の取得方法があります。
・本籍地の役所に戸籍謄本を郵送請求する
・コンビニで発行する
1つずつ解説します。
本籍地の役所窓口で戸籍謄本を取得する
戸籍を取得したい人の本籍地がわかっていれば、その本籍地の役所窓口に出向いて取得できます。
本籍地の役所が近所であれば、この方法が最もシンプルです。
また相続手続きに不慣れであれば、戸籍の専門家のいる窓口に直接出向くことがオススメです。
本籍地が不明の場合
本籍地が不明であれば、戸籍を取得したい人の本籍地が記載されている住民票(または住民票の除票)を取り寄せましょう。
取り寄せた住民票には本籍地が記載されているので、この情報をもとに戸籍謄本を取得することができます。
結婚などにより本籍地が変わっている場合は、それ以前の本籍地からも戸籍謄本を取り寄せて、最終的には生まれるまでさかのぼって取得する必要があります。
本籍地の役所に戸籍謄本を郵送請求する
本籍地が遠方などで直接出向くのが難しい場合は、郵送でも取り寄せることができます。
ほとんどの自治体では公式サイトに戸籍の請求書を掲載しているので、まずはインターネット検索してみてください。
ただし窓口での手続きと違い、わからないことを詳しい人に聞きながら進めることができないデメリットがあります。
不明点が多い場合は、まず窓口で話しを聞いてから郵送手続きに入る方法も良いでしょう。
コンビニで発行する
コンビニで発行された戸籍謄本でも相続手続きは可能です。
コンビニであれば24時間営業していることも多いですし、わざわざ役場まで行く必要もないので利便性は非常に高いです。
ただし、以下の点は注意が必要です。
・現在の戸籍謄本のみ発行可能、過去の戸籍謄本は発行不可
・現住所と本籍地を管轄する自治体が違う場合には、事前申請が必要
・コンビニへの来店者分しか取得できない
このようにコンビニで戸籍謄本を取得することはできますが、規制も多く万能ではありません。
数多くの戸籍謄本を取得するうちの、一部で使用できる程度の認識がいいでしょう。
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本籍地以外で戸籍謄本が取得できるようになる
このようにコンビニを除くと、戸籍謄本は本籍地以外では取得できないことがわかります。
しかし、実は戸籍謄本が本籍地以外の市区町村でも取得できるようになる法改正が成立しているのをご存じでしょうか。
これは2024年をめどに新システムして稼働なので、現在はまだ詳細は決まっていない。
ただし、これから私たち相続手続きの負担軽減してくれることが大いに期待されているので、ぜひチェックしておきましょう。
以下に日本経済新聞の記事を抜粋します。
戸籍データを法務省のシステムでつなぐ改正戸籍法が24日午前の参院本会議で可決、成立した。パスポートの取得などに必要な戸籍謄本や抄本が、本籍地以外の市区町村でも取得できるようになる。法務省は2024年をめどに新システムの運用を始める予定だ。
戸籍の原本は市区町村がそれぞれ管理し、法務省のシステムで副本を管理している。個人情報を含むため、現在は自治体間や年金事務所などとの間で戸籍情報の共有ができない。法改正を受けて法務省の管理システムをネットワークでつなぐ。本籍地以外の自治体も戸籍データを見られるようにする。
本籍地以外の自治体で戸籍の謄本や抄本を請求する場合は、運転免許証やマイナンバーカードで本人確認する。本籍地から離れて住んでいる場合に、自ら出向いたり郵送したりして請求する必要がなくなる。
本籍地以外の自治体で婚姻などを届け出るときにも戸籍データを添える必要がなくなる。届け出を受けた自治体が法務省のシステムから審査に必要な情報を取得できるようになるためだ。
戸籍データはマイナンバーとも連携させる。年金受給など社会保障関係の手続きでも、戸籍データの添付を省略できるようになる。
引用元:日本経済新聞社 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45207720U9A520C1CR0000/
それまでに戸籍謄本を集める必要がでてきたら、自分たちで取得する必要がありますが、かなり苦労される方も多いのも事実です。
相続手続きには、全て連続した戸籍謄本が必要であり、1枚でも足りないと相続手続きを進めることができません。
時間と手続きの負担が重いことは覚えておきましょう。
まとめ
相続手続きに不安であったり時間がないようであれば、早い段階で専門家に依頼するほうが精神的な負担も減らせるのでオススメです。
司法書士などの専門家であれば、必要書類の取得もれもありませんし、全て任せることができるので非常に安心です。
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戸籍取得が簡単になることを望みつつ、それまでは自分たちに最適な手続き方法を考えていきましょう。
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