父などの親族が長期にわたって行方不明になっている場合、家族は「失踪宣告」をすることができます。
失踪宣告が認められると、その人は死亡したという扱いとなり、遺産相続が発生します。
ただし、その失踪宣告された人が、実は生きていることが明らかになった場合は、どうなるのでしょうか。
近所のおじいさんは、ずっと行方不明だったから「失踪宣告」されて死亡扱いになったよね。
そうなんじゃが、なんと最近生きて戻ってきたらしいんじゃ。
そうなると、「失踪宣告」が取り消されることになるね。。
死んだ扱いしたのに、取り消すとはどういうことじゃ。
失踪宣告とは
失踪宣告とは、行方不明になっている人を、法律上死亡したことにする手続きです。
失踪宣告することで、行方不明者が所有している不動産などの財産を、相続人の名義に変えることなどができるようになります。
確かに、自宅が行方不明者の持ち物のままだと困ってしまうからのう。
失踪宣告の取消とは
「失踪宣告の取消」とは、行方不明者が生きていることが分かったとき、失踪宣告の効力が取り消されることをいいます。
ただし、自動的に取り消されるわけでなく、本人や利害関係人が裁判所に対して「失踪宣告の取消」を申し立てる必要があります。
失踪宣告が取り消されるとどうなるか
失踪宣告が取り消された場合、失踪宣告による「死亡」は、初めからなかったことになります。
つまり、行方不明者はずっと生きていたということになります。
失踪宣告によって生じた「相続」は開始せず、配偶者との婚姻関係も復活して、そのまま継続していたこととなります。
残った財産は返す必要がある
失踪宣告の取消がされると、「相続」が開始しなかったこととなります。
つまり失踪宣告によって行方不明者から財産を得た人については、相続によって得た財産を本人へ返還しなければなりません。
ただし、失踪宣告の取消による財産の返還については、「現に利益を受けている限度において」返還すれば良いとされています。
よって、相続人たちがすでに使ってしまった分については、基本的に返還する必要はありません。
相続した財産を売却した場合
相続人が、行方不明者の相続によって得た不動産などを、第三者に売却した場合ではどうでしょうか。
原則的な見方をすれば、不動産を行方不明者へ返さなければいけないことになります。
しかし、それでは失踪宣告などの事情を知らない第三者が困ってしまいます。
失踪などを知らずに不動産を買った人からすると、たまったもんじゃないわい。
そこで、例外的に相続人と第三者の両者ともに、行方不明者が生存していることを知らなかった場合には、「失踪宣告の取消」の影響はないものとされています。
つまり、売却した不動産を返す必要はなくなります。
ただし、相続人と第三者のどちらかが「実は生存していることを知っていた」場合は、契約自体が無効となる可能性があるので注意しましょう。
婚姻関係は元通りになる
失踪宣告の取り消しがされると、婚姻関係も元通りになります。
ただし、残された配偶者が再婚しているケースも十分に考えられます。
確かにずっと行方不明になっていたら、再婚していても不思議じゃないのう。
その場合は、再婚相手の双方が、行方不明者が生存していることを知らなければ、行方不明者との婚姻関係は復活せずに再婚のみが有効とされます。
ただし、再婚する当事者の片方または双方が、行方不明者が生存していることを知っていた場合には、「失踪宣告の取消によって、前婚が復活して重婚状態となる」という見解もあります。
このあたりはケースバイケースなので、裁判所の判断によるね。
専門家に相談しよう
こういった行方不明者が生きているケースの扱いというのは、素人が解決するのは難しいでしょう。必ず専門家に相談をして慎重にすすめるべきです
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